消防訓練・避難訓練の実施と義務

目次

非常災害に備えられていますか?

法令上求められる消防訓練の回数

年2回以上の消防訓練(大規模建物は防災訓練)

児童発達支援や放課後等デイサービスの建物は、特定防火対象物と指定されるため、年2回以上の消防訓練が義務づけられています。

児童発達支援・放課後等デイサービスガイドラインで求められる防災訓練

ガイドラインでは、次のように書かれています。

「非常災害の発生に備え、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行っているか」

児童発達支援ガイドライン・放課後等デイサービスガイドラインより

火災・台風・地震・津波・噴火など、法令で求められる消防訓練より範囲が広い防災訓練が求められています。

そのため、年2回以上のさまざまな非常災害に対応した訓練が求められています。

年2回以上の消防訓練や防災訓練

法令上の消防訓練では、次の実施が求められています。

  • 初期消火訓練 年2回以上
  • 避難訓練 年2回以上
  • 通報訓練 年1回

通報訓練と、初期消火訓練、避難訓練をまとめて実施する総合訓練を年1回初期消火訓練と避難訓練を年1回の、計2回が一般的です。

消防訓練の準備と実施

  1. 初期消火・避難・通報訓練の中から訓練内容を検討
    • 児童の安全や関心にあわせて、訓練と体験を組み合わせることが効果的
    • 初期消火訓練は、火がこわい児童がいる場合は消火器使用確認などを検討
  2. 消防訓練等実施届などを消防署・行政へ提出
    • 地域により書面の名前が異なります
  3. 消防訓練の実施
  4. 消防訓練実施計画報告書の作成と保管(3年間)

訓練計画を立てる

  • 実施日
  • 出火箇所・出火時間の設定
  • 役割の分担
    • 通報・消火・避難の分担
    • 絵本や体験に代える場合の担当
  • 避難場所の決定

消防訓練の具体例

避難訓練に、次のような体験を組み合わせることで効果的な訓練となります。

初期消火訓練は、火がこわい児童がいる場合は大人だけでの実施を検討したり次のような取組みが効果的です。

  • 訓練用消火器を使った消火活動
  • 絵本を使った消火活動の説明
  • 消火器の設置場所の確認と使い方を参加者で確認する(実際の消火は行わない)

書類の準備と保管

  • 消防訓練事前通知書
    • 受付印がある控えがもらえる場合は記録と一緒に保管(控え無しの自治体も多い)
  • 消防訓練実施結果記録書
    • 実施日・参加者・反省点などを記載の上で保管
  • 防災訓練記録
    • 消防訓練以外を実施した場合に、消防訓練と同様の記録を保管

保護者向けの周知も

児発や放デイでの保護者向けの評価に「災害時の訓練が実施されているか」という項目があります

実施されたタイミングで通所したことがない」等の コメントが寄せられることが多い項目ですので、 月のスケジュールやチラシなどでも案内をしましょう

防火管理者

収容人員30人以上(利用児童+スタッフ)となる場合に「防火管理者」を選任しなければなりません。定員が多い事業所や多機能事業所では防火管理者が必要になる場合があります。

  • 延べ面積 300m2未満 乙種又は甲種防火管理者講習の課程を修了した者
  • 延べ面積 300m2以上 甲種防火管理者講習の課程を修了した者

防火管理者は、講習(乙種1日、甲種2日)を受講し、選任届が必要となります。

さいごに

児発・放デイガイドラインでは、法令で求められる消防訓練より非常災害の範囲が広いことを念頭において、年2回以上のさまざまな防災訓練が求められていますので、実施をお願いいたします。

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