個別支援計画書の作成と保管をしっかりできていますか?
児童発達支援や放課後等デイサービスでの支援のコアとなる個別支援計画書について、作成過程と行政から求められている項目を確認します。
実地指導で確認される書類について解説しています。
個別支援計画書は、作成が必須とされていますので、児童発達支援管理責任者が必ず作成しているかと思います。
作成できていても、行政から求められている条件を満たせているか、確認してみてください。
6か月ごとに見直しが必要ですので、実体と内容が一致するよう作成をお願いいたします。
個別支援計画書の作成
アセスメント(インテークとヒアリング)
最初に個別支援計画書を作成するときには、利用契約と同時に保護者様とご本人からインテークを取ると思います。
どのようなニーズがあるか、何ができていて、できないことは何なのか、ヒアリングしていく中で、アセスメントシートを作成していきます。
アセスメントシートは、2回目からは支援をした結果のモニタリングも追加され、より精度の良いアセスメントシートが作成できるかと思います。
大事なのは、アセスメントシートをインテークの時に作成したままにせず、毎回更新していくことです。
子どもは成長しているはずですから、アセスメントシートは少しずつ変化していくはずです。
サービス等利用計画
計画相談で相談支援員さんが付いていれば、相談支援機関からサービス等利用計画が送られてきます。
相談支援側でアセスメントした結果、どんなサービスを希望しているかが書かれていますから、個別支援計画書をつくる上でとても参考になる資料となります。
個別支援計画書の原案の作成
事業所内でアセスメントした結果と、相談支援からのサービス等利用計画を合わせて、個別支援計画書の原案を作成します。
作成責任者は児発管ですが、担当者と協力して作成しても問題ありません。
ただし、原案であっても作成責任者として児発管の名前を記載する必要があります。
担当者会議
原案が作成できたら、担当者会議を開きます。ケース会議や個別支援計画会議と呼ばれたりします。
原案をたたき台に、担当者や専門家を入れて、どのような支援を行うと効果的であるか、ニーズや目標を達成できるか具体的な課題を会議で詰めていきます。
会議のやり方は色々あると思いますが、会議資料や会議録を保存するようにしてください。
アナログな方法ですが、原案に赤ペンを入れた記録をそのまま残しておくでも良いと思います。
個別支援計画書の完成版の作成
担当者会議の結果を反映させた、個別支援計画書の完成版を作成します。
このときも、児発管の名前で作成することになります。
保護者への説明と同意
個別支援計画書を保護者様へ説明をし、同意をもらう必要があります。
同意の日付と保護者様の署名をもらい、有効な個別支援計画書になります。
原本を事業所が保管し、コピーを保護者様へ渡して、双方で個別支援計画書を確認できるようにしておきます。
個別支援計画書の更新
有効な個別支援計画書ができあがれば、実施し、適時モニタリングし、6か月以内に再度アセスメントから個別支援計画書を作成する流れになります。
最大で6か月間個別支援計画書を使えますが、短くても問題がないため、目標を達成したり、課題が変わる事があれば、適切に個別支援計画書を更新していくことになります。
個別支援計画書の記載事項
個別支援計画書に書く内容は次の内容についてです。
- 長期と短期の目標
- 6か月間で達成する計画
- 児童発達支援ガイドラインや放課後等デイサービスガイドラインに沿った計画が立てられているか
- ニーズや目標と一致した計画となっているか
- 加算に関わる事項を記載
- 保護者同意が必要な事項(身体拘束など)
最後に、責任者である児発管の名前と押印、保護者の同意と署名で、個別支援計画書が完成します。
児童発達支援ガイドラインと計画の一致
児発では、3つの支援と、発達支援の5つの詳細項目に沿った計画を立てることが求められています。
- 発達支援
- 健康生活
- 運動感覚
- 認知行動
- 言語コミュニケーション
- 人間関係社会性
- 地域支援
- 家庭支援
放課後等デイサービスガイドラインと計画の一致
放デイでは、基本活動で求められている4つの活動を複数組み合わせた計画を立て記載されているかが求められています。
- 自立支援と日常生活の充実のための活動
- 創作活動
- 地域交流の機会の提供
- 余暇の提供
加算に関わる事項
なぜ加算が必要かひと言で良いので記載していなければ加算を取得することができませんので、個別支援計画書に記載が求められます。
- 送迎加算
- 延長支援加算
- 関係機関連携加算
- 事業所内相談支援加算
- 家庭連携加算
保管が必要な書類
作成した個別支援計画書ですが、保管する書類は作成に関わった全ての書類となります。
- アセスメントシート
- 個別支援計画書の原案
- 会議録・資料
- 保護者の同意した完成版の個別支援計画書
- モニタリングシート
電子データでつくっている場合は、求められたら提示できるようにしておく必要があります。
実地指導で指摘されると、個別支援計画未作成減算となるため、1ヶ月目から30%減算、3ヶ月目から50%減算と非常に大きな返金を求められることになりますので注意が必要です。
おすすめ書籍
放課後等デイサービス用となりますが、個別支援計画書の具体例がありわかりやすくおすすめです。