児童発達支援や放課後等デイサービスでは、虐待と向き合うことがどうしてもあります。
「虐待に気づいたすべての職員に通報義務があります。」
では、通報先はどこでしょうか?
児童虐待防止法と障害者虐待防止法の両方が影響する児童と関わる児発や放デイでは、虐待の当事者により通報先が異なります。
なにより、まず覚えておいてください「虐待を見つけたら189(いちはやく)」児童相談所へすべて通報しても問題ありません。保護者からの虐待に気づいたら、いのちを守る189番へ通報をお願いします。
児童を守る2つの虐待防止法
児童虐待防止法
保護者が児童に対して次に示す4つの児童虐待の予防及び早期発見、防止について定めた法律です。
- 身体的虐待
- 性的虐待
- 心理的虐待
- 放棄・放置(ネグレクト)
障害者虐待防止法
障害者虐待防止法は、国や地方公共団体、障害者福祉施設従事者等、使用者などに障害者虐待の防止等のための責務を課すとともに、障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者に対する通報義務を課すなどした法律となります。
障害者虐待防止法では次の5つが虐待行為になります。
- 身体的虐待
- 性的虐待
- 心理的虐待
- 放棄・放置(ネグレクト)
- 経済的虐待
通報先
保護者などによる虐待
児童相談所「189」へ通報してください。
児童虐待防止法に基づく通報となるため、児童相談所が窓口となります。
児発・放デイなど通所施設での虐待
指定権者である都道府県や市町村などの「都道府県障害者権利擁護センター」や「市町村障害者虐待防止センター」へ通報してください。
障害者虐待防止法に基づく通報になるため、障害者虐待防止対応窓口への通報となります。
「障害者虐待防止対応窓口 地域名」で検索すると、通報窓口がすぐに分かるようになっています。
その他の場所での虐待
その他の場所と分かっている虐待を発見したときは、次の通報先へ虐待を通報してください。
誰に虐待を受けているかよく分からない状況の時は、児童相談所「189」へ相談をしてください。
- 学校・・・学校長
- 障害児相談支援事業所・・・障害者虐待防止対応窓口
- 障害児入所施設(里親、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設)・・・児童相談所(根拠法が児童福祉法となります)
- 企業・・・都道府県労働局 または 障害者虐待防止対応窓口
障害者虐待の分類
障害者虐待は、次の3つに分類されます。どこに分類されるかで通報先が異なりますが、分からないときは児童相談所「189」へ相談してください。
- 養護者(保護者など)による障害者虐待
- 障害者福祉施設従事者などによる障害者虐待
- 使用者(企業)による障害者虐待
18歳を超えた障害者の場合は、障害者虐待防止対応窓口へ通報をお願いします。
疑いでも通報しても良いの?
通報に確証は要りません!
虐待かも知れないと思ったら、通報してください。通報を受けた相談窓口が、その後の調査などをすることが義務づけられています。通報したから虐待認定されるわけではありません。通報はきっかけです。迷わず通報を心がけてください。
虐待は、虐待をしているという認識、本人が虐待を受けているという自覚がなくても通報して問題ありません。虐待の判断は、通報を受けた相談窓口がチームで行います。
さいごに
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、虐待を気づいた「すべての職員に通報義務」があります。ぜひ「189(いちはやく)」を覚えておいてください。
児発や放デイでは、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)(要対協)と連携することも多いかと思います。とても身近に虐待は発生していますので、一人でも命が助かるよう、一人でも幸せになれるよう、ぜひ積極的な通報をお願いします。
コメント一覧 (2件)
ネグレクトされている友人が居たらどうすればいいんでしょうか??
ご本人にネグレクトの自覚があるならば、児童相談所(186)へ本人通報が良い場合が多いです。
お友達からでも、児童相談所か学校のスクールカウンセラーに相談してあげると良いと思います。
すぐに解決するのは難しいですが、きっかけになるかも知れません。
あと、だれから通報されたかは明かされませんので、通報したことを本人には教えてない方が何かとその後良い関係を築けるとは思います。